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高森明勅
2015.1.16 01:00

テロ未遂者?の「自由」論(下)

そもそも、フランス革命の理念に掲げられた
「自由」と「平等」は、それぞれを絶対視して
とことん突き詰めたら、決して両立しない。

自由を無制限に認めたら、
果てしない弱肉強食により、不平等極まる社会になるのは必至。

一方、平等を厳格に社会の隅々まで貫徹しようとすれば、
自由は著しく制約され、殆ど“窒息死”を免れない。

よって両者のバランスが大事で、その均衡点を探る場合、
重要なのが「友愛」の理念なのだろう。

しかし、そうした理念を裏切った革命の現実の悲惨さは、
改めて言及するまでもあるまい。

フランスは今も、革命の巨大な「負の遺産」を
背負い続けているように見える。

明治期の代表的な自由民権思想家、
中江兆民はフランス革命について、
次のような趣旨のことを述べていた。

私は革命派を自認している。
だがフランス革命当時、ルイ16世が断頭台に登るのを見たら、
私は必ず処刑人を突き倒し、王を抱いて逃げ去っただろう」と
幸徳秋水『兆民先生』)。

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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